菜根譚より

在るに随いて皆青山緑樹なり

 

あるにしたがいて、みな、せいざんりゅくじゅなり

 

 

訳、

 

物事をなんでも「頭の中」に閉じこめない。

 

 

 

「理屈」から離れると、自由自在になれる

 

自分のいのちは、いつ、どこで、成り立ったか。

 その事実を、とことん、考えてみる。

と、そこには、なんの理屈も、なかった。

今、毎日のように、自分の頭にかけめぐっている理屈、議論、価値観など、そこには、ちょっぴりも、存在しなかった。

自分はいままで、人生のすべてを、その頭の中に閉じこめて、良いの悪いの、損の得のと、悩み苦しんできた。

 

たまには、その頭の働きを、そっと、止めてみたら、いい。

 

なら、少し、減らしてみると、いい。

 

すると、なんの飾り気もない、あるがままの世界が、ひらけてくる。

 

花が咲いたら、美しい。

花が散ったら、さびしい。

 

ただ、自然のままのいのちの世界が、現れてくる。

その時、理屈から離れた安らかで、明澄な本来の自分が、復活する。

 

人は、頭で理屈をこねなければ、かえって、どこにいても(在るに随いて)、山樹の緑のように、自由自在に、輝いて生きることが、できるのだ。